私たちの設計に対する思い「我々の事務所では、設計業務の遂行にあたり、与えられた設計条件及び要望や思いを可能な限り形に現すことに最大の努力を致します。設計作業とは、単に図面に表現するだけでなく、建物完成後の永きにわたり、クライアント(施主、事業主)の思いや意志が、どこまで満たされ生かされながら持続できるかを常に検証する行為であると考えています。そのためには、クライアントの良きパートナーとして、クライアントの思い、建築の特殊性を理解し咀嚼しながらそれを形として表現し、地域社会の文化、環境、習慣、伝統を意識しながら、後世に繋げる街並みの形成を目指すことだと考えます。」

理念

クライアントとの信頼関係を築くこと。

建築はそれぞれ目的により特殊性を持っています。クライアントの様々な要望や思いを理解し、的確に応えるため、プロとしての調査、研究、また類似建物の視察等自らの知識を高めることが必要と思います。そして真にクライアントのパートナーとして信頼を得ることが大切と考えます。

コミュニケーションを重視

クライアントの思いを形に現すためには、設計の過程で様々な場面で解決しなければならない問題に直面します。そのためにはコミュニケーションを密にし、悩みや苦しみを共有し、適切な提案に対する真剣な姿勢が大切と考えます。

設計上の基本的な考え方

建築物はそれぞれの用途、規模、立地条件、時代の変化、クライアントの思想、要望によってそれぞれ異なった要件をもっています。したがって、過去の経験実績に頼ることなく、新たな心構えで取り組む必要があります。
内部空間にあっては、各機能を満たすこと及び動線計画の整理は当然として、そこに集う人、管理に携わる人、住まう人等それぞれに、心地よさを感じさせ、親しみやすく、落ち着きと安心感を与え、訪れる人に再来の意思をはぐくませることを目指します。
建築物の外部空間は半ば公共のものといえます。その地域社会の人々に多大な影響を与えます。勝れた外部空間のデザインは地域から歓迎され、将来の良質な街並み形成をリードするものです。そのためには周辺景観から突出することなく、馴染みながら、それでいて存在感のあるデザインが大切です。外部空間のデザインはその建物の持つ内部空間の有り方を滲み出させ想像させるものです。建物単体だけでなくその地域の将来を意識して取り組むことが重要と考えます。

コストについて

限られた予算のなかで最高の質を目指して努力しなければなりません。高額の材料を用いれば良いものが出来るとは限りません。だからと言って安ければ良いとも言えません。極力無駄をなくし、予算配分にメリハリをつけることが大切です。特に基本設計の段階においてコストスタディを繰り返し、予算との調整を図りながら業務を進めます。

建築の持続性に留意

建築は年月を経るとともに落ち着きと風格を漂わせ、持続することが大切です。建物を構成する材料、構造計画、工法等もそのような視点から選定し、出来るだけメンテナンスに多額の費用がかからないようにします。特に設備計画は機能の充実とランニングコストのバランスに留意致します。工事の完了引渡しが終了したからといって我々の業務が完了するわけではありません。建築がクライアントの思いを満たし、生かされているかを引き続き検証し、フォローアップするのも我々の役割と考えます。
設計作業の実務について述べますと、クライアントから示された基本コンセプト及び要望に基づく基本計画の作成、さらに様々な角度から詳細な検討を加えながら建築の大枠を決定する基本設計、我々はこの段階に最大の力点を置き作業をすすめます。基本設計の内容に基づいて積算、施工可能となる図面にまとめる実施設計を完了し、工事着工後、設計意図が完全に表現されるよう、工事監理業務の徹底も我々の重要な責務と考えます。